2024.12.17
健康保険証からマイナ保険証への移行
皆さん、こんにちは。日本に居住していたら誰もが持つことのできる健康保険証(一定の条件があります)。その健康保険証について、令和6年12月2日から新規の発行が終了しました。
今手元にある健康保険証は、令和7年12月1日まで有効で(国民健康保険証や後期高齢受給者証は記載されている有効期限まで)今まで通り使用可能ですが、マイナンバーカードが健康康険証の機能を持ち「マイナ保険証」として全国民が利用することになるよう、1年をかけて進められていきます。まだマイナンバーカードを作成されていない場合は、いずれ作らなければならないものですから、これも時代の流れと思って、お早めに作成されることをおすすめします。
新しいことにはなかなか取り掛かりづらく、反発したくなることもありますが、マイナ保険証を使おうと思ったら、事前準備としては写真を選ぶくらいで、あとはそれほど難しいこともありません。医療機関や薬局に行ったらカードリーダーに、マイナ保険証を置いて自分の顔を認証させるだけです。
今回は、令和6年12月2日からの健康保険証の制度変更について解説します。
1. なぜ健康保険証がなくなり、マイナ保険証になるのでしょう?
これまで医療機関に行くときには必ず健康保険証が必要でしたから、健康保険証がなくなるという制度変更への不安は大きいものです。全ての医療機関や薬局が対応している訳ではないですが、システム化が進み、今まで紙媒体で手作業により行ってきた診療報酬支払基金の業務が、オンライン請求の導入や、全国民一人一人に割り振られたマイナンバーで患者の情報が一本化されることで、効率的に処理されるようになります。
これにより医療費にかかる事務負担と経費が大幅に削減され、加入者が月々負担している健康保険料が抑えられるという大きなメリットもあります。人手不足も加速する中、事務負担の軽減により今後は処理のスピードも上がってくることが期待できます。
2. マイナ保険証を使うメリット
マイナ保険証を使うことでのメリットが大きく4つ発表されています。
① 顔認証で本人確認ができる
医療機関や薬局の窓口に設置されている顔認証付カードリーダーにマイナ保険証を置くと、投影された自分の顔で自動受付されます。医療機関などでの業務が効率的になります。(暗証番号などでも認証は可能です)
また、マイナ保険証は顔写真が載せられているので身分証明書代わりにもなり、オンラインで資格情報の確認がされますので、従来の健康保険証では管理が困難であった健康保険の不正利用やなりすましを防ぐなど医療費の適正化や行政サービスの向上も図られるのです。
② 医療提供の共有化により質の高い医療が受けられる
医療機関を受診したり、薬局を利用すると、受けた医療や処方された薬などの情報がマイナ保険証に登録・蓄積されていきます。その後、別の医療機関や薬局でマイナ保険証を提示し、情報提供することに同意すれば、過去に処方された薬や診療方法、健診結果などが医師や薬剤師に共有されデータを確認することができます。よりよい治療や処方、薬剤の重複処方などを防ぎ健康被害を防止するといったメリットがあります。
また、病気が重篤な状態であったり、年を取って自身が医者へ過去の治療経過等を説明することが難しくなっても、マイナ保険証に登録された情報を共有することで診療情報の履歴がわかることは医療機関と本人双方のメリットになると言えるでしょう。
なお、治療歴や何やら過去のことを見られるのはいやという場合は、医療情報の共有に同意しないという選択ができます。
③ 限度額適用認定証の発行手続や高額療養費の請求が不要に
マイナ保険証には自身の健康保険の高額療養費の限度額情報が登録されているので、医療機関での受付の際「限度額情報の表示」に同意すれば、入院時など、高額療養費の対象になるときに必要な限度額適用認定証がなくても、窓口での保険診療の支払いが自己負担限度額までで済みます。
④ 確定申告の医療費控除が簡単に
医療費の領収書を管理・保管していなくても、マイナ保険証で治療等を受け、マイナポータルからe-Taxに連携することで、確定申告の際、簡単に医療費控除が受けられます。
3. 令和6年12月2日から健康保険証とマイナ保険証どれを使えばいいのか?
以下の4つのいずれかになります。
- ①マイナ保険証
- ②マイナ保険証と「資格情報のお知らせ※」(9月以降に発行された紙製のもの)
- ③マイナ保険証と「スマホのマイナポータル資格情報画面※」
- ④健康保険証(記載されている有効期間または有効期間の記載がない健康保険証は最長令和7年12月1日まで)
- ⑤資格確認証(健康保険証の代わりとなるもので、令和6年12月2日以降に就職や転職、引越し等で新たな健康保険の被保険者資格または被扶養者に切り替わった場合や健康保険証が失効した場合等で、マイナ保険証を持っていない人に発行されます)
どうしてもマイナ保険証は使いたくないということでなければ、マイナ保険証を使っていきましょう。
- ※②の「資格情報のお知らせ」または ③の「スマホのマイナポータル資格情報画面」が必要になるのは、医療機関や薬局の顔認証付きカードリーダーが故障していたり、設置されていない場合となります。万が一のため、「資格情報のお知らせ」はマイナ保険証と一緒に保持しておきましょう。
4. マイナンバーカードをマイナ保険証として使うためには
マイナンバーカードを持っていても、マイナ保険証として使うためには、以下の2つの条件をクリア―することが必要です。
- ①住民登録している市区町村窓口で手続が必要な「利用者証明用電子証明書」の有効期間内であること。10年間有効なので、切れていたら市区町村窓口で更新の手続が必要。
- ②マイナ保険証の利用の登録がされていること。
※これはマイナポータル、医療機関窓口のカードリーダー、セブン銀行ATM、市区町村窓口のいずれかから簡単にできます。(マイナンバーカードと4桁の暗証番号が必要です)
おしまいに
世の中がどんどん便利になって効率的になっていくのは大賛成ですが、デジタル化においてはマイナンバーカードもしかり、必ずパスワードや暗証番号が出て来るので、忘れないようにするため等の情報管理が課題でしょう。マイナンバーカードは、暗証番号を3回間違えるとロックが掛かってしまうので、自身も確定申告の前などに慌てることがありました。スマホを使いこなせないと生活上困ることがありますし、もっと年を取ったらどうなることやらと思う今日この頃です。