2008.03.06
生命保険の基礎知識(7)保険の分類 II
こんにちは、皆さん。サクラならぬスギの花が満開の季節ですが、皆さんは快適にお過ごしでしょうか。冬の間、風邪予防用にマスクを着用していた筆者ですが、引き続き、花粉よけのマスクが手放せません。
さて、個人生命保険の分類ですが、保障期間(契約期間)によって分類することができます。決まった期間だけを保障する定期保険と被保険者が亡くなるまで保障する終身保険という分類です。定期保険は満期がある保険で、終身保険は満期が無い保険ということもできます。この二つを組み合わせて、厚い保障の必要な期間だけに定期保険を上乗せする形の保険が多く利用されています。
【表8】生命保険の分類(2)
定期保険 | ある一定の限られた期間だけを保障期間とする保険 |
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終身保険 | 契約開始から被保険者が死亡するまでの期間を保障期間とする保険 |
被保険者がどういう状態の場合に保険金が払われるか、という分類もできます。死亡した場合(または高度障害状態の場合)のみ、生存していた場合のみ、両方を組み合わせたものの3つに分けられます。実際には、2番目のものは単独ではあまり利用されていません。
【表9】生命保険の分類(3)
死亡保険 | 被保険者が、死亡または高度障害(程度は契約内容による)の場合にのみ保険金が払われる保険 |
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生存保険 | 被保険者が、予め決められた将来のある時点で生存していた場合のみに保険金が払われる保険 |
生死混合保険 | 死亡保険と生存保険とを組み合わせたもの |
保険金額が契約時と原則同じままか、それともおおいに変動することを認めるかという分類もできます。前者を定額保険、後者を変額保険といいます。定額保険の場合でも、保険会社の運用の出来不出来によって少し金額が上下しますが、原則もともとの約定どおりの金額が保険金となります。この場合、長い保険契約期間中に激しい経済変動が起きても、原則契約時と同じ保険金なので、インフレが続く中で保険契約の見直しを全くしないままにしておくと、いざ保険金を受け取ったときに期待はずれの感を抱くということも起こり得ます。
【表10】生命保険の分類(4)
定額保険 | 契約の初めに約束した保険金額が、契約で決められた保険事故が起きたときに払われる保険 |
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変額保険 | 保険金額は資産の運用実績に基づいて毎月増減するが、死亡・傷害に対して払われる保険金額は契約時に定めた保険金額が保証されている場合がほとんど |
被保険者の年齢で分類する場合もあります。子どもは、その生命力から言えば高齢者と一緒のグループに入れるべきではないという意見もありますし、逆に落ち着きが無く、思春期に無鉄砲な行動をとるので死亡率が高いとも言えます。
【表11】生命保険の分類(5)
子ども保険 | 子どもの教育・結婚などの資金準備を目的として、子どもが被保険者、通常は親が契約者として加入する |
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表のままでは分かりにくいと思いますので、次回は利用者の多いあるタイプの保険を例に解説する予定です。
余談ですが、先月某所で、2月だというのに、路地植のエンゼルトランペット(ダチュラの仲間の園芸種。ふつうは、霜に当たると枯れてしまう)が青々としていて、何輪も花が咲いているのを見かけました。ビルの外階段と駐車場とに挟まれた狭い隙間に植えられているのに、梢が2階の床に届くほど大きく伸びていました。ほかのところで見かけた同じ種類の路地植は、みんな雪のせいですっかり枯れていたのに、この違いはどこから来るのでしょう。
8年以上前に通販で購入した我が家のエンゼルトランペットの苗は、二色セットでしたが、たちまち気に入った方でない一色だけになりました。ここで購入すると、いつも、2本セットの気に入った色の方の苗がすぐ枯れてしまうと思っていましたが、2本でいくらのセットだと思うのが間違いだったのかもしれないと最近思うようになりました。というのは、私が気に入った花色の苗は実は性質が弱いので、花色の人気はいまいちだけれども頑丈が取り柄(!)の苗を組み合わせて1セットにし、お客ががっかりしないように配慮していた(もしくはクレームを予防した)のかもしれないと気がついたのです。つまり、片方は保険だったというわけです。もちろん、単にはずれのセットに当たっただけかもしれませんが。
余談のさらに余談ですが、ダチュラというと、村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』を思い出す筆者ですが、その昔、千葉県のある県立高校で、チョウセンアサガオの種を学校に持ってきて、ゴマのようにして弁当に振りかけて食べた男子高校生が、食中毒を起こして病院に入院したという記事も思い出します。筆者はちょうど同じ時期にチョウセンアサガオを育てていたのです。この記事によると、県の男子高校生は同級生にゴマとして配ったので、何人もの男子高校生が道連れになりました。
チョウセンアサガオが有毒であることを知らないことに当時筆者は驚きましたが(筆者が買った市販の種の袋には注意書きが書いてあった)、「男子」高校生であることも、小学生ではなくてもう「高校生」であることも「男子」ならば、と納得したものでした。むろん異論のある方もいらっしゃるでしょうが、筆者の頭の中では無鉄砲、無謀つながりの連想です。
当時のチョウセンアサガオは、外見は現在の園芸品種ペチュニアとそっくりでしたが、園芸品種の名前としては絶滅したようで、見かけません。逆に10年ほど前には珍しかったキダチ性のエンゼルトランペットがよく目につきますが、事故は大丈夫なのでしょうか。筆者が購入した苗には、きちんと、有毒だという注意書きがありましたが。