2007.08.30
年金の基礎知識シリーズ(1)「年金の加入について」
1.国民年金の加入者は、3つのグループに分かれている
第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者ってご存知ですか?
実はこれ、国民年金の強制加入者のタイプ分け(種別といいます。)なのです。
「あなたは何号でしょう?」とお尋ねすると、結構、1号という答えが多いんですね。では、本当に1号に該当する方が多いのかというと、決してそうではありません。「なんとなく、『1』という数字が好きだから、第1号被保険者だと思います。」なんていう方が多いのです。
さて、あなたも原則65歳未満ならば、この3つのタイプのどれかに該当しています。では、ご自身が何号か確認してみましょうね。
まず、わかりやすいのが、「第2号被保険者」です。厚生年金、共済年金に加入している方たちです。「えっ、厚生年金や共済年金に加入している人は国民年金にも加入しているの?!」はい、その通りです。
これは、よく誤解されている点ですが、働いている方は、職場で厚生年金や共済年金に加入すると同時に、国民年金にも第2号被保険者として、「W加入」しています。
また、国民年金の加入年齢は、第1号被保険者と第3号被保険者については、「20歳以上60歳未満」という年齢制限がありますが、第2号被保険者は、20歳未満の方も被保険者となります。また、厚生年金は、70歳未満の方が被保険者ですが、第2号被保険者に該当するのは、65歳未満の方となります。
次に「第3号被保険者」ですが、これは、第2号被保険者の被扶養配偶者です。被扶養配偶者とは聞きなれない言葉ですが、前年の年収が130万円未満の配偶者を指します。多いのがサラリーマンの妻ですね。ただし、配偶者ですので、夫も第3号被保険者になる場合もあります。たとえば、妻がバリバリ働いて、夫が、家事・育児を担当する専業主夫の場合は、夫が第3号被保険者になります。
最後に「第1号被保険者」ですが、日本国内に居住している20歳以上60歳未満の人で、第2号被保険者・第3号被保険者に該当しなかった人が第1号被保険者となります。
具体的には、自営業の人、学生、フリーターの人、無職の人などです。
2.国民年金の保険料について
●第1号被保険者
第1号被保険者の保険料は、平成19年度は、月額14,100円です。これから毎年度280円ずつアップし、平成27年度には、16,310円に改定率を掛けた金額になります。
第1号被保険者は保険料を個別負担しますので、負担することが困難な場合も生じます。そのようなときには、次のような保険料の減免措置があります。
- 法定免除
- 申請免除
- 学生の納付特例
- 若年者の納付猶予
法定免除以外は、手続きが必要です。保険料を支払えないからといって、そのまま放置しておくと滞納期間となり、将来、年金が受給できない、または、受給できても金額が低額になるなどの影響が生じます。
●第2号被保険者・第3号被保険者
第2号被保険者・第3号被保険者は、「基礎年金拠出金」として、第2号被保険者の加入している厚生年金または共済年金から国民年金にまとめて支払われます。
第3号被保険者の保険料について誤解が多いのが、「私の保険料は、夫が負担している」というものです。しかし実際には、夫だけではなく、夫が加入している年金制度全体で負担しています。