2007.10.25
年金の基礎知識シリーズ(3)第1号被保険者の老齢の年金
今回は、自営業の年金について、タロウさんのご家庭を例にお話しをします。
タロウさんは、現在50歳(昭和32年4月2日生まれ)です。22歳で大学を卒業し、3年の会社勤務の後に、家業の衣料品販売業を継ぎました。そのときから25年間、国民年金に加入しています。
妻のハナコさんは48歳。タロウさんと25歳で結婚。家事と家業を切り回しています。
Q1.私(タロウ)が、若い頃に勤めていた会社はもうなくなっています。勤務期間も3年しか有りません。私は、どんな年金が受け取れるのでしょうか?厚生年金は受け取れるのでしょうか?
A1.タロウさんは、厚生年金から3年分の老齢厚生年金と国民年金から老齢基礎年金を受け取ることができます。
解説1
(1)どんな年金が受け取れるの?
年金は、受給資格期間を満たしていれば、加入していた制度から受給できます。受給資格期間とは、受給に必要な期間で原則25年です。
25年に含まれるのは、国民年金、厚生年金、共済年金の各期間です。なお、国民年金の期間としては、保険料免除期間や合算対象期間も含まれます。
(2)何歳から受け取れるの?
年金の支給開始年齢は、国民年金が65歳から、厚生年金は、昭和36年4月1日以前生まれの男性、昭和41年4月1日以前生まれの女性については、65歳前から支給されます。
※女性の共済組合員は、男性の着替えスケジュールによる。
※加給年金額については、定額部分と同時に加算が開始される。(定額部分がない場合は65歳から)
Q2.国民年金は、いくらくらい受け取れるのですか?厚生年金に加入していた期間がありますが、その期間はどうなるのですか?
A2.タロウさんの国民年金の年金額は、60歳まで加入したとすれば、平成19年度価格で年間752,500円(792,100円×38/40)となります。
解説2
では、タロウさんの国民年金について詳しくみていきましょう。
(1)タロウさんは満額受け取れるの?
国民年金は、40年の保険料納付で満額の年金となり、年間で792,100円です。しかし、タロウさんは、学生時代の2年間加入していなかったので満額にはなりません。
(2)厚生年金に加入していた期間はどうなるの?
厚生年金の加入期間は、昭和36年4月以後の20歳以上60歳未満の期間については、国民年金の保険料を支払ったものとみなされます。よってタロウさんは、60歳時点で国民年金の保険料を38年間支払うことになります。
(3)老齢基礎年金の額の早分かり計算法は?
老齢基礎年金の額は、40年の納付で年間約80万円です。つまり、概算で「国民年金は1年掛けると年間2万円の年金になる」といえます。これをタロウさんに当てはめると2万円×38年=76万円となります。
次に、タロウさんの厚生年金がいくらくらい受け取れるのかをみていきましょう。
(1)老齢厚生年金は何歳から受け取れるの?
厚生年金については、報酬比例部分が63歳から受け取れ、65歳からは老齢厚生年金となり、老齢基礎年金とともに受給できるようになります。
(2)老齢厚生年金の額の計算は?
金額は、給料の平均値を15万円と仮定すると15万円×7.5/1000×36月×1.031×0.985=41,100円(年額・平成19年年度価格)です。