2009.06.25
遺族年金について
梅雨に入り、庭の梅が黄色く色づきよい香りを放っています。毎朝、梅の木の下で熟して落ちた実を拾います。ある程度たまったら、ジャムにしますが、きりりとした酸味が身体をしゃきっとさせてくれます。
今回のコラムは、"できれば避けたい、でも避けて通れない!" 「遺族年金」の質問を読者から受けましたので取り上げます。
実際に事が発生してからではなくお手元の「ねんきん定期便」・「年金加入記録」・「年金証書」等を社会保険事務所へ持参し、ご自分や家族の事例を基に"何を聞くか"を事前にまとめた上で、コラムを読んでいただき、確認されるのが一番わかりやすいと思います。
遺族年金の受給要件
A1:遺族年金は、被保険者が亡くなった場合に残された遺族に支給されます。
国民年金には「遺族基礎年金」、厚生年金には「遺族厚生年金」、共済年金には「遺族共済年金」(ここでは取り上げません)の3つがあります。このほか、自営業の方を対象にした「寡婦年金」「死亡一時金」があります。
【遺族給付】
※1:保険料納付要件を満たしていることが必要。
※2:子・孫については、18歳に達した日以後の最初の3月31日までの間にあるか、20歳未満の障害等級1・2級の障害状態にある、未婚の子・孫をいう。
※3:夫・父母・祖父母については、死亡した方の死亡当時55歳以上の方で支給開始は60歳。
※4:夫の死亡当時子のいない30歳未満の妻に対する遺族厚生年金は、5年間の有期年金となる。
A2-ア:「遺族基礎年金」の受給要件
次のいずれかに該当する人が亡くなった時に支給されます。
- 被保険者が亡くなった時
- 被保険者であった人で日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人が亡くなった時
- 老齢基礎年金の受給権者が亡くなった時
- 老齢基礎年金の受給資格期間を満たした人が亡くなった時
ただし、1・2の場合は保険料納付要件が問われます。
A2-イ:「遺族厚生年金」は次のいずれかに該当する人が亡くなった時に支給されます。
- 厚生年金保険の被保険者が亡くなった時
- 被保険者資格を喪失した後、被保険者期間中に初診日のある病気やケガが原因で初診日より5年以内に亡くなった時
- 障害厚生年金1級・2級の受給権者が亡くなった時
- 老齢厚生年金の受給権者または受給資格を満たしている人が亡くなった時
ただし、1・2の場合は国民年金の保険料納付要件が問われます。
- 保険料納付要件(被保険者の保険料納付済期間・保険料免除期間を確認)。
遺族年金の受給権者の範囲
A3:亡くなった人に生計を維持されていた「子のある妻」または「子」とされています。夫が死亡して子と妻が残された場合や父母が死亡して子だけが残された場合に支給されます。「子のない妻」や「夫」は、受給権者となることができません。
(注)「子」とは、18歳年度末までの間にある子か、障害等級1・2級の障害の状態にある20歳未満の子でいずれも未婚の子をさします。
A4:遺族基礎年金より、遺族の範囲は、広くなります。死亡の当時被保険者によって生計を維持されていた、配偶者と子・父母・孫・祖父母です。
- 「妻」以外が遺族になった場合の年齢等の条件
- 受給できる遺族の優先順位
- 生計維持(年収)の認定など
A5:死亡後10日(国民年金は14日)以内に、死亡届と、「未支給年金請求書」を社会保険事務所に提出してください。提出が遅れ、亡くなった月の翌月以降の年金が支払われてしまった場合は、返さないといけませんので、注意してください。
なお、ご両親が受給している障害年金の等級が1級または2級ならば、配偶者に遺族厚生年金が発生しますが、ご本人の受給している障害年金等との併給調整がありますので、社会保険事務所で相談してください。