2010.03.25
れいこ先生の「言わせてちょうだい!」シリーズ【その4】老齢基礎年金の年金額の計算の仕組みは?
桜前線の北上開始とともに日本列島は桜色に包まれます。この季節、新幹線に乗ると、あんなところにも、こんなところにも桜の木があったことに気づかされます。名所の桜も素敵ですが、田んぼや畑の畦でのびのびと枝を広げている古い桜や、山の中にちっちっちとちりばめられている山桜、若々しい緑の竹林の中に浮き立つ桜も本当にきれいですね。それぞれの花が、自分の持ち場でもっとも美しい自分を演出しているさまは、春爛漫という言葉がぴったりです。
お気に入りの木の下でお弁当を広げたいですね。
【その4】老齢基礎年金の年金額の計算の仕組みは?
※由美さん(50歳)は専業主婦、菜々子さん(55歳)は厚生年金に加入中
●由美
この前ね、お隣の奥さんが来て、来月からご主人が、「サンデー毎日」になるんでちょっと相談したいって...。
●菜々子
フーン、ということは、今まで、「週刊朝日」の愛読者だったということ? うちの主人「週刊新潮」だけどね。
●由美
違うのよ、そうじゃなくって、「サンデー毎日」とは毎日が日曜日ということでしょう。つまり、定年退職されるのよ。
●菜々子
あー、そういうことね。それで、奥さんはなんて?
●由美
それがね、「私は20歳からずっと加入していて、37年も国民年金を納めているので、年金はもらえるのよ。けど、主人が退職したら、57歳の私が60歳になるまでの3年間、国民年金の保険料を払わなくっちゃいけないの? 由美さんは、最近年金のお勉強をしているってお聞きしたので、教えて」と、言われて......。
●菜々子
フーン。それで、なんて答えたの?
●由美
もちろん、25年掛けていれば年金は受け取れるので、"もう掛けなくて大丈夫です"って答えたわよ。
●菜々子
さすが由美、ばっちり答えられたじゃない、素晴しいわね! 勉強の成果ね。
●れいこ先生
ちょ、ちょっと待って頂戴、お二人さん。その答えは、間違ってるわ。
●由美・菜々子
えーーー、本当ですか?
●れいこ先生
いい、年金を受給するために必要な年数は、確かに25年よ。
だからお隣の奥さんは、受給資格期間を満たしていて、年金を受け取る権利はあるわ。でも、国民年金は60歳までの加入が義務づけられています。
●由美
れいこ先生、お隣の奥さんは、「主人が年金生活になって収入が減った上に、今まで要らなかった国民年金の保険料も払えなんて、あんまりよ」って、すごーくお怒りなんです。
●れいこ先生
いえいえ、いくらお怒りでも、そういうわけにはゆきません。
●菜々子
年金が受給できるのに、60歳まで強制加入だからって言うことで、まだ保険料を支払うのですか?
●れいこ先生
その通り。強制加入というのは、個人の意思に関係なく、保険料を支払うってことです。
それに、25年加入することの意味と40年加入することの意味は、どう違うのでしたか?
●由美
あっ、そうだ! 25年というのは、受給資格期間を満たすために必要な期間で、40年というのは満額受給をするために必要な期間ですね。
●れいこ先生
その通り。
●菜々子
という事は、もし、お隣の奥さんが、今まで、ずっと保険料を納めていたけれど、60歳までの後3年間滞納したら、年金額は満額にならないということね。
●由美
ではいくらになるのですか?
●れいこ先生
では、老齢基礎年金の額の計算の説明をしましょう。
老齢基礎年金は40年間保険料を納付して、年間で79万2,100円、約80万円ね。という事は、「国民年金は1年掛ければ2万円(年額)」といえますね。今後、保険料を滞納した場合、隣の奥さんは、保険料を37年納めたことになり、年間で74万円。満額受給より、6万円少なくなります。
●由美
という事は、女性は平均寿命から見ると65歳以後20年間くらいは老齢基礎年金を受給できるので、終身で120万円違ってくるってことですね。高齢者になってからの年金は本当に大切なお金になると思うので、きちんと納付するようにお隣の奥さんにお話します。
●れいこ先生
ところで、夫が定年退職をして年金生活に入ると、今まで国民年金の第3号被保険者だった妻は第1号被保険者に変わり、保険料の自己負担が必要になります。もし、保険料が納め難いということであれば、「退職(失業)による特例免除」を申請することができます。
●菜々子
免除を受けることができたら、その期間の年金額はどうなるのですか?
●れいこ先生
平成21年4月以後に保険料を全額免除された期間の年金額は、全額納付した場合の1/2になります。たとえば、1年の免除期間は6ヶ月納付した期間分としての計算となりますので、年額で1万円ですね。
●菜々子
免除の1/2には、どんな意味があるのですか?
●れいこ先生
老齢基礎年金は、保険料と国庫負担でまかなわれていますが、国庫負担の割合が1/2なのね。ご自身が負担する保険料分が免除されても、国庫負担分だけは受け取れるので、1/2になるのよ。
では、老齢基礎年金の計算をまとめて見ましょう。
●菜々子
老齢基礎年金の額は、平成21年3月までと4月以後の期間に分けて計算をするようですが、これは、なぜですか?
●れいこ先生
老齢基礎年金の国庫負担の率が、現在は1/2ですが、平成21年3月までは1/3だったためです。また、免除割合も全額免除以外にも段階的に3/4、2/4、1/4の免除があり、それぞれに年金額に反映する期間が異なってくるため、複雑な計算式になっています。
●由美
この式の中にある「保険料納付済月数」というのは、どのような期間ですか?
●れいこ先生
国民年金の保険料を支払った期間ということですが、次の期間が該当します。
昭和36年4月1日~61年3月31日 | 昭和61年4月1日~ | |
第1号被保険者 | 国民年金に加入して保険料を納付した月数 | 国民年金に加入して保険料を納付した月数 |
第2号被保険者 | 厚生年金・共済年金に加入していた期間で20歳以上60歳未満の間の月数 | 厚生年金・共済年金に加入していた期間で20歳以上60歳未満の間の月数 |
第3号被保険者 | 国民年金に任意加入していた月数 | 第3号被保険者該当届を提出して第3号被保険者となった月数 |
●由美
ということは、私は、結婚前に20歳から2年勤めて、あとは第3号被保険者で60歳まで加入すると約36年の加入だから、79万2,100円×36年×12月/40年×12月≒71万2,900円になるのね。
●菜々子
「付加年金額」というのがありますが、これはどのようなものですか?
●れいこ先生
国民年金の保険料は、来年度1万5,100円ですが、これに400円の付加保険料をプラスすれば、老齢基礎年金の上乗せとして受け取ることができます。付加年金の額は、200円×付加保険料を納めた月数です。
●菜々子
400円ずつかけて、200円ずつ受け取るというと、損をするような気がするのですが...?
●れいこ先生
いえいえ、とってもお得ですよ。
たとえば、5年間付加保険料を納めると、400円×60月で2万4,000円。受け取る付加年金は、200円×60月で1万2,000円を毎年です。
つまり、2年の受給で支払った保険料分は受給できるということね。
●由美
それは、とてもお得ですね!! 私たちも是非掛けたいわ。
●れいこ先生
残念ながら、付加保険料を納められるのは、第1号被保険者と任意加入の方だけなのよ。ただし、第1号被保険者で保険料の免除を受けている方は、付加保険料を納めることはできません。お隣の奥さんも免除を受けないで保険料を支払うのであれば、掛けることができますよ。
●由美
付加年金のことも含めて、アドバイスをしておきます。