2010.05.27
最近の年金情報(年金改善法案)~国民年金保険料の納付可能期間の延長(案)~
六月といえば梅雨の到来。入梅宣言に「またじめじめと雨が続くのか!?」と少しうんざりする気持ちになりがちですが、この梅雨が豊かな実りを運んできてくれることに気がつくと、心の中がハッピーになってきます。
たっぷりと大地に蓄えられた雨が、梅雨明けのカッと照りつける太陽の光と一体になって、樹木の葉を青々と茂らせ、色とりどりの花を咲かせ、農作物をたわわに実らせる、大地の生命力に変わってゆきます。自然のエネルギーの循環を感じます。
A現在のところ、現行制度の大きな改正は予定されていません。というのも、国は現在の年金制度を大きく変えて、新たな制度を作ることを検討しているからです。そのため、現行制度の改正は、喫緊の課題にとどめられています。
現在、国会に堤出され来年度以降に実施の運びとなっている改正案は、高齢期の所得確保の支援を目的として国民年金や企業年金について予定されているものです。今回のコラムでは、国民年金の改正の一部をご紹介いたします。
国民年金保険料の納付可能期間の延長(案)
●改正概要
国民年金保険料の納付可能期間を10年に延長し、本人の希望により保険料を納付することでその後の年金受給につなげることができるようにします。
●現行
未納期間の保険料は、さかのぼって2年までの期間は納付することができますが、それを超える期間については納付するはできません。
●解説
さかのぼって2年までの期間についてしか保険料を納付できないのは、保険料の徴収時効が2年と定められているためです。
今回の改正は、保険料の徴収時効は従来どおり2年のままですが、ご本人が希望すれば追納というかたちで、さかのぼって10年までの期間、保険料を納付することができるようになるようです。
対象は、65歳未満の全加入者で、すでに年金を受給している人は追納できません。
この改正案が実施されると、次のような効果があります。
- 現在65歳以上の無年金の方が、過去10年以内の未納期間を納付して受給資格期間(原則25年)を満たせば、すぐに年金が受給できるようになる。
- 60歳以後の任意加入期間をあわせても受給資格期間を満たすことができない方が、過去10年以内の未納期間を納付して年金が受給できるようになる。
- 受給資格は満たしているけれども過去10年の間に未納期間があれば、納付することで年金額が増やせる(ただしすでに老齢基礎年金を受給している方は適用されない)。
なお納付する保険料額は、現行の保険料免除期間に対する追納保険料額と同様に設定され、「当時の保険料に、前年に発行された10年国債の表面利率の平均等を基礎とした率を加算した額」となるようです。なお、加算額が科せられるのは、納付が認められた翌年度から起算して3年目以降となります。
(施行日案:平成23年10月1日までの間の政令で定める日)
(注)今回のコラムでは、現在法案改正が予定されている中から、「国民年金保険料の納付可能期間の延長(案)」を抜粋し記載しましたが、法案成立後に再度解説を掲載する予定です。 その他、詳細は参考リンク厚生労働省Webサイトをご覧ください。