年金コラム

こんにちは。社会保険労務士の土屋です。今回も「ねんきん特別便」のお話しをさせていただきます。

6月下旬から現役加入者の方への「ねんきん特別便」の送付が開始されました。5,000万件の浮いた年金記録の持ち主に該当しそうな方については、すでに「ねんきん特別便」が送られていますが、そうでない方については、今年の10月までに順番に送付されることになります。

厚生年金被保険者（国民年金の第2号被保険者）への「ねんきん特別便」の送付については、原則として事業主経由にて実施されることとされ、実施に先立って、社会保険庁では「ねんきん特別便」の配布及び「年金加入記録回答票」の回収の協力の可否について事業主の方から事前に回答を得ています。

したがって、事業所に従業員全員の「ねんきん特別便」の一括送付を依頼した事業所に勤める方は、事業主から配布を受けますが、そうでない事業所に勤める方については自宅に直接送付されることになります。また、自営業者や学生等の国民年金第1号被保険者の「ねんきん特別便」と第3号被保険者の方（厚生年金に加入する従業員の被扶養配偶者）の「ねんきん特別便」については自宅に送付されます。事業所に一括送付を依頼した事業所の従業員の被扶養配偶者の方も同様です。

※事業所に送付される「ねんきん特別便」は、原則、被保険者番号順に整理して、まとめられていますが、従業員数が1,000名以上の事業所の場合については、支店毎など事業主があらかじめ希望する順序に並べ替えて送付されます。その為、従業員1,000人以上の事業所への送付は8月以降に発送される場合があります。

「ねんきん特別便」の注意点　事業主の皆様へ

「ねんきん特別便」が届いたら、一緒に送付される「送付対象者一覧表」に記載されている全従業員の「ねんきん特別便」が同封されていることを確認してください。「ねんきん特別便」作成以後に入社した人や年金受給中（4～5月に送付済み）の人や3月までに送付された人（浮いた記録が結びつく可能性のある人）には送付されませんので、注意をしてください。

確認をしたら従業員に「ねんきん特別便」を配布し、従業員に自分の記録を確認してもらった上で、「年金加入記録回答票」を回収します。従業員からの回収については、配布から1ヶ月以内に行い社会保険庁に提出するようにしてください。提出は料金着払用の専用封筒が同封されていますので、それを利用してください。

なお、できるだけ従業員全員の「年金加入記録回答票」を回収してください。もし全員の分が回収できなければ、回収できた分を提出します。1ヶ月以内に回収できない従業員の方についてもその後回収を呼びかけるようにしてください。

社会保険庁では提出していただいた、回答票をもとに調査と確認が行われ、必要な場合には記録の統合が行われます。

「ねんきん特別便」の注意点　従業員の皆様へ

「ねんきん特別便」を受け取ったら、まずご自分の年金加入記録を確認してください。もし、記録にもれや間違いがあれば、その旨を「年金加入記録回答票」に、もし問題がなければ、その旨を「年金加入記録回答票」に記入してください。事業主から「ねんきん特別便」を受け取った方は返信用封筒に封をして事業主を経由して、また、直接送付された方については社会保険庁宛ポストに投函また社会保険事務所に提出します。

「年金加入記録回答票」に『訂正なし』で回答した方については、その後文書での連絡はありません。『訂正あり』で回答した方については、社会保険庁で調査を行い、調査結果を基に「被保険者記録照会回答票」が送付されますが、調査内容によっては3～4月程度、複雑な調査を要する場合にはそれ以上かかるケースも考えらますので、記録に間違いやおかしなところや疑問に思う点があるのならば、社会保険事務所で確認をするようにしてください。平日は仕事で忙しくて相談に行けないという方は、委任状があれば家族の方が代わりに相談をすることもできます。また、開庁日・時間は地域にもよりますが、平日の夜や土日でも開庁している場合もあります。

※詳しくは社会保険庁ホームページを確認してください。
窓口の混雑状況等も確認できるサイトもありますので、ご利用ください。

また、全国の社会保険労務士会でも無料の電話相談窓口を開設しています。